安全靴の性能を規定する「JIS規格」「JSAA認定品」とは?

公開日:2023/08/01  最終更新日:2023/06/29

「JIS規格」「JSAA認定品」

安全靴や作業靴を購入する際に、JIS規格〇種合格やJSAA規格〇種などと表示された商品を見かけることがあるでしょう。安全靴は重量のある物の取り扱い作業や運搬作業など、危険な場所や滑りやすい作業で着用を義務づけられています。ここでは、安全靴の規格についてJIS規格の定義やJSAA認定品などについて紹介します。

JIS規格が定める安全靴の定義

JIS規格とは、日本の工業の標準化促進を目的とする工業標準化に基づいて制定された国家規格のことです。

JIS規格では、足先の怪我を防ぐための先芯が備わっており、油分・水分に強いすべり止め効果がある、靴の表面が牛革または総ゴムからできていることが条件です。

またJIS規格で認められるためには3つの基本的な性能試験に合格する必要があります。

耐衝撃性能試験

つま先に重量のある物が落ちたときに衝撃から足先を守る性能を測る試験です。

製品の先芯部分を含むつま先部を切り取ったものを試験機に装着して、質量20㎏の鋼製ストライカーを指定の高さから自由落下させて、衝撃によって変形した先芯と中底との隙間を測定して、規定値を満たしているか調査します。

超重作業用では衝撃エネルギーは200J、重作業用では100J、普通作業用は70J、軽作業用は30Jとなっています。

耐圧迫性能試験

つま先が重量のある物に押しつけられたときに、その重みからつま先を守る機能を耐圧迫性能といいます。

先芯部を挟み込み、徐々に加圧していき、作業区分ごとに決められた圧迫度になるまで力を加え、所定の圧迫力で規定以上の隙間ができるかを調べます。

超重作業用や重作業用では圧迫力15kN(普通乗用車1台分)、普通作業用では10kN(小型自動車1台分)、軽作業用では4.5kN(軽自動車0.5台分)となっています。

はく離抵抗試験

表底と甲被の接着強度を図る試験です。表底と甲被のつま先部分を試験機でつかみ、反対の方向に引っ張りあい、強度を求めます。

超重作業用・重作業用・普通作業用では、はく離強度300N以上、軽作業用では250N以上となっています。

安全靴のJIS規格とは?

JIS規格に合格し規定された安全性をクリアした靴を安全靴と呼びます。

JISの靴は規定に基づく耐圧迫性や表底のはく離抵抗性、耐衝撃性を保持し、加えて足甲部にあるプロテクターの耐衝撃性や耐踏抜き性、衝撃エネルギー吸収性、耐切創性、耐滑性、耐水性などを備えていることが必要です。

JIS製品かどうかを見分ける方法としては、中敷(インソール)と靴底の表示を確認すればわかります。どちらにもJISマークと先芯の仕様素材・付加的機能が表示されています。

作業に対応して等級が分かれているので、作業の内容に合わせた投球を選ぶことが大切です。

JIS規格品のおすすめポイントは着用時の安全性の高さです。一般的な運動靴では足元に危険を及ぼすリスクが多くある環境で、足先の安全性を守る意味で先芯が鋼鉄でできた靴が選ばれることが多いです。

先芯がスチール製の靴は、20kgの物体が落下しても耐えられる強度があります。デメリットとしては、強度と安全性が高い反面、靴自体が重くなり足に負担がかかりやすいことです。

安全靴のJSAA認定品とは?

JSAAの定めた安全性や耐久性などに関する基準を満たしている商品で、人工皮革や合成皮革、プラスチックなど、さまざまな素材の使用が認められています。

海外からの安全靴輸入増加に伴って、消費者が混乱することを防ぐ目的で設立されました。先芯は樹脂製とスチール製があります。

樹脂製は軽量で運動性能に優れているので、作業中に動き回る頻度が高い場合おすすめです。

スチール製の場合、安全性と耐久度の高さが同時に保証できますが、金属製のため足先が圧迫されるので負担を感じることもあります。

JIS規格と同様の安全規定が定められており、さらに耐踏抜き性やエネルギー吸収性、耐滑制、帯電防止性、漏れ防止などの機能があります。

JSAA規格認定商品かどうかの見分け方は、靴のベロの裏にある表示で確認できます。

JSAA認定品はJIS規格品と比べて価格が安く、メッシュ素材を使っているので通気性が高い、布素材が多く使われているので着用感がいいというメリットがあります。軽量で通気性がいい一方、JIS規格より耐久性などでやや劣るのがデメリットです。

まとめ

JIS規格、JSAA認定品それぞれのメリットとデメリットを把握したうえで、作業内容や現場に合わせた靴を選びましょう。現場に合った安全靴の着用は、安全性の確保と作業効率の向上につながります。規格を満たしていない作業靴も一般的に出回っているため、慎重に靴を選ぶことが大切です。選ぶ際に表記されている内容について理解することで、危険から足をも守る最適な安全靴を見つけることができます。会社の規定に合った靴を履き、ルールを守って安全に作業を行いましょう。

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